肉球でキーボード

MLエンジニアの技術ブログです

『実践MLOps 作って理解する機械学習システムの構築と運用』という本を書きました


2025年10月18日に刊行される『実践MLOps 作って理解する機械学習システムの構築と運用』というMLOpsに関する本を執筆しました。

本の内容の紹介をさせていただきます。

www.ohmsha.co.jp

実践MLOps 作って理解する機械学習システムの構築と運用

執筆経緯

MLOpsを実践する場合、多くの問題はソフトウェアエンジニアリングに関する問題だと気づきます。

多くの企業では、MLOpsは機械学習エンジニアやデータサイエンティストが担当する場合が多いです。彼らは役割の性質上ソフトウェアエンジニアリング業務に関わる機会が限られるため、MLOpsの概念を実践するハードルが高いと言わざるを得ません。

2025年現在、MLOpsを体系的に説明した書籍が出版されるようになりました。しかし、MLOpsの概念的な内容の整理に留まり、具体的な実践方法まで踏み込んでいる書籍はまだまだ少ない印象です。

このようなMLOpsの概念的な理解と、実際にMLOpsを実践する際に求められるソフトウェアエンジニアリングスキルとのギャップを埋められるよう、本書を執筆しました。

どんな本か

本書では、広告クリック率予測を行う機械学習システムを、AWSで構築・運用する一連の流れを通して、MLOpsを実践的に学ぶ一冊です。
本書の特徴は機械学習システムの運用にまでカバーしている点です。
本書は準備・開発・運用の3つのカテゴリの目次構成となっています。準備・開発のカテゴリでは、一般的なMLOpsの説明を行った後、機械学習パイプラインの実装を行います。運用のカテゴリではバージョン管理、CI・CD、推論サービス、継続的学習、監視のトピックをカバーします。

目次

本書ではMLOpsを「DevOpsを機械学習システムに適用した手法」と位置付けています。そのため、TerraformによるIaC (Infrastructure as Code)や、GitHub ActionsによるCI・CDのような、一般的なソフトウェア開発で扱う技術トピックが多く含まれます。

また、本書ではMLOpsを機械学習の専門家のみが扱う領域とせず、一般的なソフトウェア開発に準拠した技術選定の方針をとっています。そのため、本書では機械学習のマネージドサービスを使わずに、従来のソフトウェア開発で一般的に使用されるAWSサービスを使用します。例えば、推論サービスにはECS (Elastic Cotainer Service)を使用し、特徴量ストアやモデルレジストリのようなMLOps特有の要素をDynamoDBを使用して構築します。

本書はソフトウェア開発の初学者向けの本ではありません。本書は264ページという限られたページ数の中で、機械学習システムの開発から運用までを行うため、機械学習AWSの基礎的な説明は省略しています。また、MLOpsの要素として一般的に含まれる組織作りやチーム体制などの非技術的な側面は扱いません。

より広くMLOpsを学びたい方は、『事例でわかるMLOps』や『機械学習システムデザイン』が参考になると思います。本書はこれらの本に書かれている内容の、一つの例を実践するような立ち位置となります。

本書で利用するコードをGitHubリポジトリで公開しています。 github.com

本の内容イメージ

本書は、筆者が前職で講師を行なったMLOps研修の経験が生かされています。
そのため、本書の内容はこれらの資料をより深く掘り下げたものとイメージしてもらえると分かりやすいです。

speakerdeck.com

speakerdeck.com